202号室 塔の上のお兄さん。

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「貴方の隣、202号室の釘本 鳴海(くぎもと なるみ)さんでーす」 真っ赤な両手で顔を隠して、正座で座っている為、どんな顔か分からないけど、サラサラの茶色の髪の毛に色素の薄い肌、着飾らないチェックの服を着ている。 「よ、よろしくお願いします。楠木みかどです」 深々と頭を下げると、お兄さんも顔は隠したまま頭を下げてくれた。 丁寧な人みたいだ。 「うぅ……。僕は千景さんみたいに、下品な行動はしないと思ってたのに、いつしかこのアパートの人に染められていたみたいで……。 凄く恥ずかしいです」 「下品って失礼ね。紐パンだってシルクよぉ!? シルクのパンツは洗濯バサミじゃすぐ外れるのよぉ」 「外にそんな物を、干すだけでも恥ずかしいです」 チラリと指の隙間からこちらを見て、恥ずかしそうに俯いた。 「変な所をお見せしてしまい、本当に申し訳ありません。 みかどさん、ですね。 何卒よろしくお願いします」 はにかんだお兄さんは、綺麗というか、とても可愛い雰囲気でした。 女の底辺の私より、睫毛も長く目もぱっちり、鼻も高いし、ちょっと見とれてしまいました。
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