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「美っ桜ぉー!!」
朝早くにバタバタと教室に美桜の名前を叫んで入ってきた男子が来て、本を読んでいた美桜に後ろから抱きついた。
周りから女子のキャーキャー言う声が聴こえてくる。
「わっと…。…いきなり抱きつかないでよ」
「仕方ねぇ~だろ?会いたかったんだし?あ~、今日もウサギみたいで美味しそ――」
と、最後まで言おうとしたところでバシッと頭を叩く音が聴こえてきた。
「龍!!いい加減にその癖辞めなさい!!」
龍と呼ばれた男子は、頭を抑えてうずくまっている。
「ってぇーな、伊吹っ!!」
龍は伊吹と言われた女子生徒を睨み付けた。
「美桜が可哀想でしょ!?分からないの!?」
「…もう、慣れちゃったから。平気」
美桜はふふっと微笑んだ。
「美桜ったら優しすぎるのっ!!嫌なら断りなさいよ?」
美桜はうんと頷いた。
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