謎の男子生徒と私

3/9
前へ
/19ページ
次へ
綺麗な夕陽が見えるたくさんの花が植えられている屋上に小さな女子生徒がいた。 「…お姉ちゃんに届きますように」 彼女はオレンジ色の空を見上げ、涙を流しながら歌を歌い始めた。 それはある少女が孤独で悩んでいるストーリー系の歌詞だった。 そして自分を変えて生きていくという明るくなる結末の歌詞である。 だが彼女の声は明るいが、寂しそうな顔をしていた。 「お姉ちゃん。また、明日ね…」 彼女が屋上を去ろうとし、後ろを振り返った。 「…へ?」 見知らぬ男子生徒がそこに立っていた。 「…聞かれちゃってた?」 男子生徒はここの制服を着ているが、一度も学校で会ったことがなかった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加