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母さんの応援を胸に俺は港についた。 赤いベンチがある。 確かTowNにいったデザイナーが港にプレゼントしたんだっけ? その赤いベンチに中学一年?小学生くらいの少年が座っている。 少年は俺の視線に気づいたらしく、笑いながら手を振ってきた。 その少年に近づくと手をぎゅっと握ってきて、こう言ってきた。 『佐々木達行君だねー。声の才能をもってるー』 『僕ねぇ、野間健志郎っていうんだー達行と一緒の16才』 この健志郎とかいう少年もTowNにいくのか? 『あー!今きこえたぞ!僕のこと少年っていっただろ!達行と一緒の16才だよ!』 知らず知らずのうちに声に出していたようだ。 『えーと……健志郎はなんの才能を持ってるんだ?』 頬を膨らまして一生懸命怒りを表している健志郎に聞いた。 『………達行には教えて…あげないもん』 すねたみたいだ。 しょうがない。 飴でも渡してみるか…… 『これやるよ』 そういってたまたまポケットに入っていた飴を渡した。 『本当にくれるの!?ありがとー♪』 『ちょっと僕トイレいってくる!絶対動かないでね!ここにいてよ』 そういいながら走ってトイレの方向へ向かっていった。 『あの少年、帰り道転びますね』 聞き慣れない声が後ろからした。 『申し遅れました。私は水無月 時雨といいます。才能は心理的な分野です。』 みなづき……ときさめ?なんでしぐれじゃないんだろう…… 『しぐれじゃあ語呂がわるいですから』 俺はまた声にだしたのか……? 『もしかして声にでてた?』 『いえ、そう顔に書いてあったので』 『お前ってすげーんだな♪』 『達行~♪』 健志郎が帰ってきたみたいだ。 ズデーン! 見事に転んだ 『いたい…よ…』 泣きそうな顔になりながら健志郎はこう続けた。 『達行~おぶってー』 頼まれたら断れない………『よいしょっと………これでいいか?』 『うん♪おっけー』 『そろそろ船がきますよ』 大きな船が港に付いた。 『達行ーいざすすめー♪』 俺は健志郎の息が耳に当たってくすぐったいのを我慢しながら船にのりこんだ 今日から楽しいTowNの暮らしが始まるんだな
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