1日目 -side知春--

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毛先がキラキラと輝きながら薄くなり、その姿が消えていく。 「え゛? ど、どうしようっ!」 陽を当てると消えてしまうのだろうか? まるで吸血鬼のように。 「眩しいよー」 消えたと思ったその場所に、現れたのは人の姿のソラ。 「わぁ、消えちゃったのかと思って焦った」 思わず泣きそうな声になってしまう。 「もー、寝起き悪いの忘れちゃったの? イキナリ乱暴だにゃー」 消えて、また現れる。姿がその変わる工程は見ているとギョッとするが、本人はケロッとしたものだ。 何事もなかったように、寝起きの不機嫌そうな声を出す。
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