1日目 -side知春--

6/68

419人が本棚に入れています
本棚に追加
/291ページ
「ソラ! 会いたかったよ!」 その姿を抱きしめようとしたけれど、手が空を切った。 触れない? 「無理だよ、だって死んじゃったんだもん」 猫の姿から戻って、困ったように言う。 カーテンから漏れた光が当たったその姿は、わずかに透けている。 やはり生身ではないということか。 「……つまりは、貴方はソラで、つまりはソラの幽霊って事?」 もう一度会いたいと、この1年何度となく思い描いたソラの姿を見てしまった後には、どんな奇妙な事でも受け入れられてしまいそうだ。 「わかってくれた?」 「……で、なんでその姿に戻るの?」 猫耳つきのイケメンよりも、ソラの姿の方がいいに決まってる。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加