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「ソラ! 会いたかったよ!」
その姿を抱きしめようとしたけれど、手が空を切った。
触れない?
「無理だよ、だって死んじゃったんだもん」
猫の姿から戻って、困ったように言う。
カーテンから漏れた光が当たったその姿は、わずかに透けている。
やはり生身ではないということか。
「……つまりは、貴方はソラで、つまりはソラの幽霊って事?」
もう一度会いたいと、この1年何度となく思い描いたソラの姿を見てしまった後には、どんな奇妙な事でも受け入れられてしまいそうだ。
「わかってくれた?」
「……で、なんでその姿に戻るの?」
猫耳つきのイケメンよりも、ソラの姿の方がいいに決まってる。
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