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待ち合わせ時間から三十分が経った。大くんはまだ来ない。
携帯を取り出すと、いつの間にかメールが来ていた。
『ごめん』
一言だけのメール。
何がごめんなの？訳がわかんない。
遅くなってごめん？
行けなくなってごめん？
前に綾香の見舞いに行った後もこんなメールを貰った。
嫌な記憶が蘇る。そんなメールの後、大くんは私から離れた。
後でそれは私を守るためだったと分かったけど…
大くんはいつも言葉足らずだ。入試が駄目だったのか？バスに遅れて来れないのか何なのか？
これじゃわかんない。
大くんのバカ
急に一人ぼっちにされたような心細さに襲われた。
『ごめんじゃ分からないよ。
何がごめんなの？』
そう打ち込んで送信した。
もしかしたら大くんは来ないのかもしれない。そう思うと、膝の上のお弁当がズシリと重く感じた。
大くんが来なかったら、私一人でも食べて帰ろう。
と思うと急に悲しくなった。
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