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芝生では、一才過ぎくらいの赤ちゃんがヨチヨチ歩いているのを若い夫婦が側で笑いながら声をかけている。 微笑ましくてついそのしぐさに目が釘付けになる。 「…可愛いな。」 「うん。あんな幸せそうな家族見ると赤ちゃん欲しくなるね。」 大くんにソックリな男の子が欲しい。幼い大くんを思い浮かべる。 思わずフフフと声が漏れて、大くんが怪訝そうな顔を向けた。 「何?」 「ミニチュアの大くんを思い浮かべたの。」 「俺は優菜のミニチュア思い浮かべた。きっと可愛いだろうなー。」 「俺たちは学生だからまだずっと先だけど、いつかあんな風に親子で来たいな。」 「親子って…私もいるの?」 「当たり前だろ?他に誰がいるの?子供は俺と優菜の子供。」 嬉しくて泣けてきそうだ。大くんの思い描く未来にいつも私がいる。思わず彼の腕にしがみついた。 大くんと子供と私… 家族だ。 そう思うと胸がキュンとした。 「嬉しい。その時私たちは家族になってるんだね。 大くんにソックリな可愛い子とね。」 「いや、優菜にソックリな女の子がいい。」
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