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男の子か女の子かの言い合いの果て
「じゃー男と女の双子がいいな。」
と大くんの提案に顔を見合わせて笑って一件落着。
回りにあまり人がいない芝生に、レジャーシートを広げてお弁当タイム。
おしぼりとお皿とお箸を渡すと、大くんはさっさと手を拭いて食べ始めた。
「上手い。この唐揚げ上手いよ。」
美味しそうに食べる大くんに満足しながら、水筒のお茶を渡す。
「ありがと。優菜はいい奥さんになるな。」
「そう?嬉しい。母さんのお陰だ。
中学の時、私の不味い料理をいつも美味しいって喜んで食べてくれたの。だからお料理が苦じゃなくなったんだ。」
そう言いながら母のことが頭を過りしんみりとし始める。
「お母さんとは会う約束してたのに話せなかったな。」
残念そうな大くんの言葉に頷くと、体を引き寄せて頭を撫でてくれた。
「私の赤ちゃん見せたかったなー。きっと母さんだったら孫にメロメロだったよ。」
「大丈夫きっとお母さんは優菜を見守ってくれてるから、見ていてくれる。今も俺たちのこと見守ってくれてるよ。」
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