21

15/23
前へ
/693ページ
次へ
男の子か女の子かの言い合いの果て 「じゃー男と女の双子がいいな。」 と大くんの提案に顔を見合わせて笑って一件落着。 回りにあまり人がいない芝生に、レジャーシートを広げてお弁当タイム。 おしぼりとお皿とお箸を渡すと、大くんはさっさと手を拭いて食べ始めた。 「上手い。この唐揚げ上手いよ。」 美味しそうに食べる大くんに満足しながら、水筒のお茶を渡す。 「ありがと。優菜はいい奥さんになるな。」 「そう?嬉しい。母さんのお陰だ。 中学の時、私の不味い料理をいつも美味しいって喜んで食べてくれたの。だからお料理が苦じゃなくなったんだ。」 そう言いながら母のことが頭を過りしんみりとし始める。 「お母さんとは会う約束してたのに話せなかったな。」 残念そうな大くんの言葉に頷くと、体を引き寄せて頭を撫でてくれた。 「私の赤ちゃん見せたかったなー。きっと母さんだったら孫にメロメロだったよ。」 「大丈夫きっとお母さんは優菜を見守ってくれてるから、見ていてくれる。今も俺たちのこと見守ってくれてるよ。」
/693ページ

最初のコメントを投稿しよう!

209人が本棚に入れています
本棚に追加