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「俺んち両親、結婚式に出かけて遅くならないと帰ってこないんだ。今から俺んちに来る?」 「行きたい。」 大くんに触れたかった。プレゼントを交換して大くんへの気持ちは盛り上がってるのに、人の視線があるのがもどかしかった。 愛し愛されて一つになりたい。めちゃくちゃにされたいそんな欲求が私の体を覆い尽くしていた。 きっと大くんの気持ちも同じ。 絡まる指はさっきから私の手を弄んでいて欲しいと言ってるみたいだ。 バスの中でも背中に回った手が悪戯をする。 「大くんダメ。」 動く手を押さえ小声で抗うけど、すました顔で景色を見ながら、手は私の手をするりと交わし動きを止めない。 他の人には見えない位置だけど、声が出そうになって思わず口を押さえた。 隣の人はクスクス笑いながら手は自由に蠢いていた。 「もう、大くん。」 睨むけど声が少し上擦ってしまった。 降りるバス停に到着すると、手を繋いで大くんの家に向かう。 今日は日曜だし制服じゃないのに 「優菜、走ろう。」 私の手を引いて走る大くんの背中を追って走った。
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