61人が本棚に入れています
本棚に追加
*
「んあ"ーーーーっ!」
部屋についた途端ベットに勢いよく倒れ込んだ郁。
郁はお母さんにも強がりで、弱いところを見せたりしない。
そんな癖がある。
疲れたー、とか、だるい、とかの本音は、お母さんには言えない。
だからあたしは、いつも郁の話を聞く相手になっているんだ。
「大丈夫?郁。
眠いなら自分の部屋行きなよ?」
「あー…大丈夫。
つかまじ疲れた…。だるー…」
「よしよし」
あたしがそう言って郁の頭を撫でると、郁は枕に埋れていた顔をこちらに向ける。
「…ガキじゃないんだけど」
そう言う郁の顔は真っ赤で、あたしは思わず笑ってしまった。
「何笑ってんだよ潤!」
「ううん?別に!」
「くっそー…」
口を尖らせながらあたしを睨みつける郁の姿に、あたしは郁の出ていたドラマを思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!