はじまりは突然に

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* 「んあ"ーーーーっ!」 部屋についた途端ベットに勢いよく倒れ込んだ郁。 郁はお母さんにも強がりで、弱いところを見せたりしない。 そんな癖がある。 疲れたー、とか、だるい、とかの本音は、お母さんには言えない。 だからあたしは、いつも郁の話を聞く相手になっているんだ。 「大丈夫?郁。 眠いなら自分の部屋行きなよ?」 「あー…大丈夫。 つかまじ疲れた…。だるー…」 「よしよし」 あたしがそう言って郁の頭を撫でると、郁は枕に埋れていた顔をこちらに向ける。 「…ガキじゃないんだけど」 そう言う郁の顔は真っ赤で、あたしは思わず笑ってしまった。 「何笑ってんだよ潤!」 「ううん?別に!」 「くっそー…」 口を尖らせながらあたしを睨みつける郁の姿に、あたしは郁の出ていたドラマを思い出した。
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