きっと待っていた

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興奮も冷めやまぬ中、あたしは沙羅に連れられて控室にやってきた。 バクバク高鳴る心臓の音に、あたしは純粋にRISEのコンサートに感動したのだと思った。 「潤。加宮嬢。こっちだ」 紫苑くんの案内で、最初きたところとは違う控室に通される。 「お前ら、入るぞ」 紫苑くんはみんなの返事も聞かないまま扉を開けた。 「潤!」 「ーーー郁」 そこにいたのは、汗をふき、やりきった笑顔を見せる郁。 あたしは思わず、郁に抱き付いた。 ぎゅうっ 「ぉわっ! ちょ、俺今汗くせぇ、」 「郁!すごかったよ!」 「ーーーえ」 すごかった。 輝いていた。 「パフォーマンスも歌も、ダンスも、全部、感動した。 ただかっこいいだけじゃなくて、みんなの努力が見えて、感動したの。 女の子達が夢中になる気持ち、わかる気がするよ」 「ーー潤」 郁はあたしに腕を回し、ギュッとする。 だからあたしは郁の背中を、小さな子供をあやすかのようにポンポン撫でて、郁の心臓の音を感じていた。
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