きっと待っていた

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「つっ、疲れた、って…!」 この状況で、言われても…。 橘くんがあたしを抱きしめる手を緩める気配はない。 あたしはどうしたらいいのかわからず、抱きしめられたまま。 「ちょ、蓮夏! 潤から離れろバカ!!」 「うっせぇーな。 疲れてんだからいいだろーよ」 「疲れてるから潤抱き締めてなんになんだよ!」 ぎゃんぎゃん騒ぐ2人に、あたしはさらにわけがわからない。 チラリと奥の方をみると1人だけ衣装ではなく普段着を着ている神崎くんがいた。 あたしは神崎くんに視線を送る。 この状況をどうにかしてくださいっ! 幸いにもあたしの視線に気付いたのか、こちらに顔を向けた神崎くん。 「(助けてください!)」 神崎くんっ! 神崎くんはあたしの口パクにニッコリと笑い、ぎゃんぎゃん騒ぐ2人の元へ。
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