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「(ーーーーっ!!!)」
地を這うような、低く、怒りを含んだ声に、全員の肩が上下する。
「し、紫苑…?」
「紫苑くん…??」
あたしと郁は紫苑くんがきれた時の恐ろしさを知っている。
でもみんなビクついたし、ここにいるみんなは紫苑くんの恐ろしさを知っているのかもしれない。
紫苑くんはきれると血も涙もないただの悪魔になるんだ…!!
ただーーー…
「中山さん何きれてるのよ?」
その事を知らないお嬢様がここに…!!
「はぁん?」
「あたしにそんな態度をとっていいのかしら?」
「うっせーよ加、」
pipipi……
「あら、失礼」
丁度いいといっていいのか、沙羅の携帯が鳴った。
その音で冷静さを取り戻した紫苑くんの元にも、携帯が着信をしらせる。
「え?見直し?
今から予定を組み直せですって?!」
「はぁ?また仕事依頼?!
…あー。その仕事はキャンセル。
それは受ける。あぁ」
「(…こいつらは…)」
一見俺様な女子高生の沙羅だけど、時期加宮グループの社長。
今から仕事をこなしていかねばならない沙羅。
一見ただの…いや、イケメンな大学生くらいに見える若々しい紫苑くんだけど、大人気グループを管理するマネージャー。
次々と入ってくる仕事の管理は紫苑くんの仕事。
この2人、会えば喧嘩ばっかりだけど、実はすごく気が合うんじゃないかと思う。
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