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*紫苑side*
「潤」
「んー?」
「いつもの頼んでいいかしら」
「…あぁ!いいよー」
パタパタと加宮嬢の元へと急ぐ潤。
いつもの…?
その言葉に引っかかったのは俺だけではないらしく、メンバー全員の視線が潤へと注がれた。
「(にしても…)」
潤の奴、少し見ねぇ間に随分綺麗になったよな。
ガキっぽさがねぇっていうか。
俺は隣で潤に視線を送る郁をからかってやろうと、にやける顔を抑えて郁をこずいた。
「おい郁。
潤まじで綺麗になったな」
「……」
「早いうちにツバつけときゃよかったか?」
「っな!
てめ何言ってんだよ紫苑!」
「ムキになっちゃってよー。
かーわいい♪」
「てめー…」
俺の挑発に乗って言い返してきた郁だが、郁はスッとどこか遠い目をして俺に言った。
「……潤には俺がいねぇと駄目なんだよ。
俺にも潤が必要だ。
だから、誰にもわたさねぇ」
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