きっと待っていた

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「ーーー郁、それはーー…」 ……兄妹として? それとも、 それともーーーー… 「……なぁ紫苑。 潤の奴、何やってんだろうなぁ」 愛しいものでも見るかのような優しい微笑みに、俺はそこまで出かかった言葉を飲み込んだ。 気付かせてはいけない気がした。 いや、もう自分で気付いているのかもしれない。 ーーー…でももし、そうだとしても。 誰かの言葉で、それを伝えちゃいけねぇ。 俺は郁に向けていた視線を潤に戻す。 「午後4時から葉山グループで会議で、その後6時には自宅にいなきゃいけなくて…ーー」 「………」 何かを考えるように集中する潤。 加宮嬢は全てを伝え終わると、顔をあげた潤に携帯を渡した。 「(あれはーー…)」 加宮嬢が潤に渡した携帯はプライベートの携帯じゃねぇ。 加宮グループの携帯だ。 それを何故、潤に…? 潤は加宮嬢から受け取った携帯に、ペラペラと言葉を紡いだ。
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