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何気なく暮らす毎日は、捨てても構わないと思っていた。
楽しい事もなく、悲しい事もない、無意味と言っても良いくらいに何もない毎日が続いていた。
改めなくても、良い。
はい、何もない人間です。
それでも死ぬ程の勇気もないから、ただ生きているだけなんだ。
でもそんな人間は、俺以外にも数え切れない程いる。
当たり前みたいに、それが普通って事。
早く言ってしまえば、普通の人間です。
なんの特技もないし、特徴もない。
必死になって探すのも面倒だから、そのままで良いやって事。
あの日が来るまでは。
それは父親が、運転免許を取って二週間くらいしてから、車で家族旅行に行っていた。
父親は、貿易会社の社長をしていて、ずっと忙しい毎日だった。
そんな中、少ない時間を利用して、自動車学校に通っていた。
やっと念願の免許取得。
早速、父親の運転で熱海に温泉旅行に行っていたんだ。
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