第2話 †春美・ひとひらの恋†

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皆を見送ったあとマスターにお礼を言って、おもむろにスナックの扉に手をかける 独り身の春美にとって一番寂しさがこみあげる瞬間である 扉を開けると、目の前に上原助教授が立っていた 「一緒に帰りましょう」 とニッコリ微笑む 唖然としながらも春美の瞳から涙が溢れだした 「医学は人間学、身体だけじゃなく心の治療もいたしますよ」 心の中を見透かされている 声にならず、何度もうなずく
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