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「ねえ………何でもいいの……カラオケの後、あたし誰に家まで送ってもらったか……知りたいの」
「はあ?そんなの知る訳ないじゃない?ただカラオケを出る時、あんたは有坂の背中におんぶされて上機嫌だったけど……」
「有坂?有坂透(ありさか・とおる)……」
あたしの処女を奪った候補その1。
有坂透……3年7組出席番号1番。バスケ部所属で運動神経はクラスで一番いい……
体も大きく、あたしをおんぶして部屋まで運ぶくらい朝メシ前だろう……
「………ねえ……?アンタ……昨夜何かあった?ちゃんと家に帰れたんだよね?」
あたしの様子に不安を感じたみゆきが聞いてきて、ドキッとする。
「も、も、もちろんよ!べ、別に生徒なんかと特別な関係になんかなってないんだからっ!ハハハーンだ!」
「………………………」
「………………………」
少しの間……あたしとみゆきとの間にシンとした空気が流れた。
「あ、アンタ……まさか……」
ワナワナと震える指であたしを指すみゆき……
「違うの!誤解してる!絶対誤解してる!みゆき!」
「だったら誤解しないように詳しく話なさい!!」
「だから詳しく話せるくらいならこうしてみゆきに聞いてないわよ!!記憶が飛んじゃっていて……気付いたら裸で血だらけになって自分の部屋のベッドで寝ていたのよ!!」
「血……?まさか……」
あたしを指差すみゆきに、赤い顔でうなずく……
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