喪失

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「しかし、毎日こうやって指導していても違反者はいるものね~」 タメ息つく中里先生…… 「ええ…高校生ともなると、男も女も色気づきますからね……オシャレしてみたくなるのはわかるけど、そんなの大人になってからしろって言うんです」 「さすがチヒロ……いや、宮前先生!生徒指導係の鏡みたいな言葉ね~」 半分、バカにしたような笑いを浮かべる中里先生に私は胸を張る。 「当然!生徒の風紀を守ることは生徒の未来も守ることになります!生徒の為にも私は指導の手を緩めませんわ!」 大イバリで口にした時…… 「よお!チヒロちゃん!昨日は楽しかったね!」 「先生と呼べと……!?有坂くん!?」 声をかけられ、振り向くと、そこに立っていたのは靴を潰して履いている有坂くんだった。 私の……処女奪った候補①だ…… ドキン! 心臓がドキドキして…… 顔が熱くなる…… 「昨日は楽しかった……なんて言われても……あ、あた、あた、あたし、よく覚えてないし……」 「ああ~チヒロちゃん沢山飲んだからな~」 ニコッと笑う有坂くんに、ボッ!と顔から火が出るかってくらいに熱くなる…… やだ…… 有坂くんがあたしの最初の男(ひと)…… と思ったら、急に有坂くんがカッコよく見えた…… 今までただの生徒だったのに……
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