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イケない!あたしは生徒指導係!
生徒をちゃんと正してあげての先生よ!
いくらあたしの処女を奪った相手かも知れないからって、甘やかしちゃダメ!
「有坂くん!その靴の履き方は何!?かかと潰しちゃダメって言ってるでしょ?それにその革靴学校指定の物?」
言うあたしに有坂くんは靴を見せながら笑う。
「わりぃ、新しく買った靴でリーガルなんだよ……どう?カッコいいだろ?」
「う、うん、か、カッコいい……」
思わずうなずいてしまうあたしを後ろにいる中里先生がツンと背中をボールペンで突く。
「違うでしょ……注意しろよ……」
「あ、そうね……コホン!」
咳を1つして……あたしは再び有坂くんをキッ!と睨む。
「リーガルは学校指定じゃないでしょ!!それに買ったばかりの靴潰してみっともないでしょ!!」
怒鳴るあたしだが有坂くんは何でもない顔で説明する。
「確かに学校指定の物じゃないのを履いていたのは謝るよ……けどさ学校指定の靴を履いていたら、かかとが擦れちゃってさ……痛くて痛くて……ろくに歩くこともできなくてさ……こうしてリーガルを履いたんだけど、やっぱり傷痕が擦れちゃってな~、で、仕方なしに潰したんだ……傷が治ったら学校指定の靴を履くからさ~今日は勘弁してよ」
ニコッ!
笑う有坂くんにポ~となりながら……
「許す」
「千尋!」
中里先生が止めるが、有坂くんは逃げるように校門をくぐって行った。
「サンキューチヒロちゃん!愛してるぜ~」
手を振りながら校舎に走っていく有坂くんの背中をポ~と見つめる。
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