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A種族にとって人間とは、人間世界に生きる私達にとっての、ゲーム上で使用するアバターのようなものだ。
ネットゲームプレイヤーなら分かると思うが、ゲームにログインすると、自分は、自分の分身として作られたアバターと呼ばれるものに変わる。
もちろんそれは感覚的なものであり、実際に変化するわけではないが、自分が自分でなくなったように感じるものも少なくは無いだろう。
ではここから、体験者となるA種族を分かりやすく『ユーザー』と呼ぶことにし、説明していく。
ユーザーは、先程お見せした画像に描かれているカプセルに入り、クリエイターによって製作された、人間世界という1世界に生きる1人間にログインする。
これは先程のアバターへのログインと比べると、実際に変化すると言えるかもしれない。
が、そういうことではない。
人間世界は始まりから終わりまでの1作品であるため、それぞれの人間の、いわゆる『人生』というものはすでに完成されている。
そのため、ログインしたところでその人間の1人生を眺めるしかないのだが、これが世界Aの大元となる考え方であり、特徴でもある。
先程の画像の、上についている緑色をした小型カプセルに注目してもらいたい。
これは『記憶管理カプセル』と呼ばれるものだ。
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