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「………会社に戻ろっか。」
「………はい。」
そのまま、2人とも黙ったまま会社まで歩いた。
何か、何か話そうと焦れば焦るほど、話題が出てこない。
誤解されたんじゃないかと、不安になるけれど、自分の気持ちがはっきりもしていなけりゃ、近藤さんが自分の事をどう思ってるかも分からない。
的外れな言い訳をしたところで、恥をかくことになるかも知れない。
重苦しい、嫌な空気が2人を纏う。
今日のお昼ご飯を買っていないこと、気付いたのは、会社に戻ってからだった。
だけど、また買いに行く気にもなれず、結局、美空に少し分けてもらったり、会社に置いてあったお菓子でお昼を済ませた。
美空は
「あの、バカ。流石ね。」
と、笑っていた。
私は、笑えなかった。
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