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ピンポーン…………。
ドンドンドン!!!
「とーこちゃーん!!」
「おいこら、楽耶。」
チャイムを鳴らしてドア叩いて名前を呼ぶ。
いつもの楽耶ちゃんの行動。
「ハハ、相変わらず変わってない。」
笑いを堪えながら、玄関の方に向かう。
「はいはい。いらっしゃい。」
ドアを開けて、出迎えると、音弥に似た可愛い女の子が私に抱きついてくる。
「とーこちゃん、久しぶり!!
ね、私、もうお風呂入っていい?
8時に雅くんから、電話掛かってくるんだ!!」
なりくん?誰?
話がわからず、音弥を見ると、不機嫌な顔。
「…………彼氏、だとよ。」
…………あー、そりゃ機嫌悪くなるわな。シスコンとまではいかなくても、楽耶ちゃんのこと可愛がってるもんな。
「いいよ。もう用意してあるし。入っておいで?」
「ありがとう!とーこちゃん!!
じゃあね~!お兄ちゃん!」
楽耶ちゃんは、挨拶もそぞろに脱衣場に向かっていってしまった。
「あらら、お兄ちゃん。彼氏には負けるね?」
「…………るせーよ。」
ブスッとしてた音弥だけど、スッと表情を変えて、私をじっと見る。
「な、なに?」
「楽耶は知らねーんだ。
親父の入院の意味。………だから、透子が普通に接してくれて助かった。ありがとう。」
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