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「おとっ……!!」
ガッチリと私を捕まえ、音弥は深くキスをする。
「…………んんっ……!!」
逃げる獲物を捕まえるように、攻めてくる音弥の舌に、体がビクつく。
唇が離れ、そのまま、耳朶を攻められ首筋を舌先がつ───っと這う。
「………ん、あっ!」
「は、いい声…………。やっべ、とまんねーや。」
音弥の熱のこもった声に、私までおかしくなる。
「だけど……………。」
「…………いっ!」
胸元に、ちくんとした痛み。
「行かなきゃ、な。
サンキュー、透子。エネルギー補給できたわ。」
チュッ、と、軽く口付けし、音弥は、部屋から出て行った。
残された私は、腰の支えをなくし、ズルズルとその場に座り込んだ。
…………なに、いまの。
キスは、前もした。
だけど、今日は酔ってない。
はっきりしてる意識が、余計に反応してる。
ふと、目線を胸元に移すと、先程つけられた赤いあざ。
体がドクドクして。熱くて。
うそ。
まさか。
私、音弥に、欲情………してる?
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