2295人が本棚に入れています
本棚に追加
中学時代はキャプテンとして率いたチームが何度も県大会に進み、地元ではそれなりの評価をされていたけど、高校に進んでからの俺はさっぱりだ。
肩は強かったから投手として期待されたけど、故障があったり、監督が変わってからは全く試合に使われなかったり。
家庭の事情から、大学に進むのも難しかった。
なんでもいいから野球がやりたかったから、高校を卒業してすぐ、地元の小さな金属工場に就職した。
大して給料もよくないし、仕事はきつかったけど、そこには市内で唯一の硬式野球部があった。
部員は30代中心のおじさんチームだったけど、県内では結構強くて、もう少しで都市対抗野球に出れるところまで行ったりもしたもんだ。
不景気の煽りを受けて、会社さえつぶれなければな。
最初のコメントを投稿しよう!