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「ね、ねえ。それにしても。あんた、いいバントしたわよね」
「ぐうぐう」
「ちょっと! 寝ちゃったの! チョー、ウケるんだけど!」
ギャル美ちゃんが車を運転しながら、バックミラーで俺の様子を伺う。
そして、むずかゆそうに今日の試合の話をしてきたので、ギャル美の真後ろの座席でぐうぐうと寝たフリをしてやった。
横でみのりんが寝たフリをした俺をみながらクスクスと笑う。
「マイちゃん。新井くんは寝てないよ」
「ちょっと! ふざけてるなら、車から降りなさい! チョー、ウケる」
ギャル美ちゃんの口調は怒っているようなものだったが、バックミラーに映るギャル美ちゃんは俺よりも楽しそうにニヤついていたのだ。
「あの、新井さん」
助手席に座るおっぱいちゃんが口を開く。
「どうしたの? 山名さん」
「私、好きになっちゃいました」
「まいったなあ」
「あの。もちろん、新井さんのことじゃなくて、野球がです」
分かっとるわ。
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