ヒットが出ない新井さん。

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「どうよ、ビクトリーズさんの方は」 「結構激しい感じですね。1日ごとに打順やスタメンが入れ替わりまくりで。1試合ノーヒットだったら、スタメンから外されますね」 「とか言いながら、このところチミはなかなか調子がいいみたいだね。ずっと1番センターだし。さては彼女さんとよろしくやってるな?」 「いやいやいや。最近はまたあんまり会えてないんすよ。仕事が忙しいみたいで」 「あらそう。それは残念ですわね」 「新井さんこそ、みのりんさんとはどうなんですか?」 「さて、そろそろランニングは終了でストレッチングですな」 「ごまかしやがった」 グラウンドをぐるっと3周ほど走り、1塁ベンチ前でマットをして柔軟を始める。 そのくらいの時間になると、球団職員やスタジアムスタッフ達がボチボチ顔を出し始める。 「新井さん、おはよーございます!一昨日は焼き肉ごちそうさまでした!」 宮森ちゃんも現れた。 「おー! さやかちゃんは喜んでくれていたかね」 「はい! サイコーでした!新井さんのファンになりましたって言ってましたよ!」 「今までファンじゃなかったんかい!」 「アハハハ!!」 ピンクジャージ姿で大口を開けて笑う宮森ちゃん。 「宮森ちゃん、宮森ちゃん!」 「なんですか?」 「お口にご飯粒付いてるよ! あそこの牛丼屋さんに行ってたのかい?」 そう指摘すると、宮森ちゃんの顔がジャージ色をあっという間に通り越して真っ赤になった。 周りがちょっとクスクスざわざわとなる中、猛ダッシュでストレッチする俺のところまで宮森ちゃんがやって来る。 「ちょっと新井さん! なんで大声でそういう風に言うんですか! みんな居るのに、恥ずかしいでしょう!? 手旗信号とかモールス信号で伝えて下さいよ!」 「無茶言うな」
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