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ちょっと恐る恐るその電話に出ると、ビービー泣いて、鼻水もズビズビのポニテちゃんが新井ジャーン! 新井ジャーン! と、泣き叫んでいて、それはそれはひどい状態だった。
とりあえず、帰りに食べたお寿司の味を思い出せ! ウニとかイクラをたくさん食べて満足だっただろうと、そんな風に慰めた。
するとポニテちゃんは次第に胸の揺れと落ち着きを取り戻し、夕方過ぎに専門学校から連絡があったことを教えてくれた。
「その、確かに入学金と初年度の授業料を収めたことは証明されているから心配しないで欲しいということと、本当にご迷惑をおかけして申し訳ありませんということで………」
「まあ、そりゃそうだわなあ。すぐに捕まるでしょ。その犯人の事務員も……」
「確か女の人が2人いましたけど……」
「ああ、なんか最初に出てきたうるさそうなおばちゃんは30代には見えなかったから、さやかちゃんを受付した方の事務員だろうねえ。ちょうど30歳くらいに見えたし」
「やっぱりそうですよね………」
希望にさらに胸を膨らませて訪れた専門学校。その時に対応した人に持っていったお金を盗まれるなんてなかなかショックな案件だ。
ポニテちゃんに、書類を渡し、住所やらなんやら書いてもらって何ヵ所が印鑑も押してもらって、お金を出してもらった時に…………。
表面は真面目な顔をしながら、ヒッヒッヒッ。この娘っ子が出した金パクったろ。
と考えていたと思うと、ちょっとゾッとする。
お化けやら、ラーメンを今か今かと待ってる時のみのりんが怖いとか言いますけど、結局のところ1番怖いのはやっぱり人間ですよね。
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