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社会人野球では、レギュラーを目指すとかそんなことを言う前に終わってしまった。
しかし、そこで半年だけお世話になったコーチに………。
「君、逆方向に打つのは上手いね。……パワーはないけど」
そんな言葉をもらった。
確かに、野球を始めた頃からそう思う節は幾度となくあった気がする。
これは過信でも自信過剰でもなく、内野の頭を越すような打球なら流し打てば、なんとか打てる。
右方向への流し打ちだけでいいのなら、どんな球が来てもなんとかなるような妙な自信が何故だかあった。
思い起こせば、物心ついた時から野球をしていたけど、三振してしまった記憶もあまりない。
流し打ちに徹すればストライクを3つ取られることなんてほぼなかった。
スポーツをやるような連中の中では、身長もそんなに高くなく、がっちりとした、いい体格をしているわけでもない。
しかし、ボールをバットの芯で捉えることだけに関しては誰にも負けなかった。
その打球がまかり間違って外野の頭を越えていくようなことはなかったので、あまり目立つこともなかったのだが。
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