４割打者の新井さん

プロ野球選手になれたが時給が上がらない。

遅番で出勤して、早番のスタッフと引き継ぎをする。

ぐるっと１周ホールを巡回して、顔馴染みの常連さんに挨拶しながら、稼働状況などを把握する。

パチンコ店もやはり、アルバイトスタッフの入れ替わりが激しいので、３年も勤めていると、あっという間に年長者になり、社員とアルバイトの板挟み状態になる。

お店の方針や社員の考え方などを新人スタッフに伝えながら、働く上で下から出た不満や改善点などを事務所で演説する毎日。

先ほどのように負けて腹を立てた客の話を聞いたり、台のトラブルなんかも変わって対応する事もしばしば。

俺が入ったばかりの頃はたくさんの先輩スタッフがいたけど、みんな結婚やら就職やらで、順番にいなくなっていく。

すると既存のスタッフに仕事が下りていき、負担が掛かる。

そして、仕事がつらいと感じてしまうのだ。

今の俺はまさにそんな状態であり、何かの変化が必要。何かを変えなくてはいけない。

そんな思いがあったのも、トライアウトを受けた理由の１つだった。