プロ野球選手になれたが時給が上がらない。

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「悪いねえ、お疲れ様。もう、今日は上がっていいよ」 閉店して、次の日の営業所のために掃除をしたり、遊戯台のメンテナンスをしたりで、気付けば規定の就業時間をとっくに過ぎていた。 デスクに座りながら申し訳なさそうな表情で店長は労うように俺を見送る。 俺は事務所を出て更衣室に行き、私服に着替えると着信がある事に気付いた。 「新井さん、おつかれっす! 向かいの飲み屋にいるんで来て下さいよ!」 酒好きのバイトの後輩が何人か連れて居酒屋にいるらしく、俺も生け贄に選ばれたようだ。 特に用事もないので、俺は上着を着込みながら店を後にし、すぐそばにある居酒屋に駆け込んだ。
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