プロ野球選手になれたが時給が上がらない。

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「新井さん、お疲れ様です。何かありますか?」 午後4時になり、遅番組が出勤。俺がいたコースに入る新人スタッフに台を開閉する鍵を渡し、今日は特にないと伝えた。 俺を含む早番組はぞろぞろと事務所内に集まり、特別連絡事項もなく、挨拶だけをして終礼が終わり、タイムカードを切った。 「いやー。今日も疲れましたねー。飲みに行きましょうよ!!」 この前ガッツリ飲んだばかりなのに、酒好きの後輩はまた向かいの居酒屋へと俺を誘う。 給料も出たとこだし、隣町のパチンコ屋が新装開店日なので、車を出すから行こうと返してなんとか揉み消そうと試みる。 「まあ、いいっすけどー。その後はちゃんと飲み行きますからね。誤魔化さないで下さいよ……」 彼は不服そうな顔をしているが、パチンコ好きな同士なので、そう言われては断る理由もない。 俺達2人が私服に着替え、店を出ると、スーツを着た1人の男が待ち構えていた。
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