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「こんにちわーっす!!」
「おつかれーすっ!!」
外野フェンスの側でキャッチボールを続けていると、1塁側のベンチから次々とトライアウト参加者が現れ、元気な挨拶がグラウンドに響く。
どこかの大学生か、どこの社会人野球の人か分からないけど、みんないいガタイしてるな、やっぱり。
俺は171センチしかないから、トライアウト生の中でも小兵の部類だ。
「すいません。少し距離開けてもいいですか?」
キャッチボール相手の独立リーグ男は肩をぐるぐる回して、ボールを投げては後ろに下がり、みるみるキャッチボールの距離が広がっていく。
60メートル、70メートル。そのくらいの距離になっても、矢のように鋭いボールがビシッと返ってくる。
俺も投手だったから、肩の強さには自信あったけど。それでも助走をつけながらで、やっと胸元にボールを返せるくらいだ。
やっぱり独立リーグに行って野球やってるだけあって、肩の強さだけでもレベルが違うのが分かるよ。
ちょっと自信無くなってきた。
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