檸檬

＊本編＊

タクト
「いくよっ！」

【タクトが白亜の肩を掴む】

白亜
「わ…！？」

白亜(M)
「ま、負ける…！嫌われる！負ける！嫌われる！うわああああ」

タクト
「うわあ！？」

【白亜がタクトを足技で倒す】

白亜
「……へ…？」

名無しさん
「なに？白亜が勝ったの？」

さっちゃん(M)
「なんだこの糞地味な勝負は」

タクト
「あはは…強いね。初心者にこんなに簡単に負けるなんて、僕ダメだなぁ」

白亜(M)
「勝ったんだ…？」

白亜
「…い、いえーい！俺かっちゃった～」

興覇
「『凄いのかどうか微妙なところである』」

タクト
「それじゃあ、僕はみんなと練習してくるね」

白亜
「あ、ああ！」

【誰と戦っても勝てないタクト】

名無しさん
「はぁ～つまんなーい。もう帰ろうよー」

白亜
「タクト… 誰にも勝ててないな」

さっちゃん(M)
「ただの屑かよ」

【何度でも戦うタクト】

白亜
「………。」

白亜(M)
「なんで…勝てないのにやめないんだろう…？」

─帰り─

タクト
「ごめんね。つまんなかったかな」

名無しさん
「退屈すぎー！ぜーんぜん面白くなかった！」

タクト
「そっか。そうだよね。あはは」

白亜
「…タクトは、ずっとじゅーどーやってて、勝てないのに、やめたいとか思わないのか？自分には無理、だとか…。どうして続けられるんだ？」

タクト
「…うーん… 元からの性格。かな。楽観的なんだ。絶対に悲観的にならない。だから諦めも悪くてね、がんばって続ければ、いつか僕も大会で優勝できるって信じてるんだ」

白亜
「だけど、信じてるからってそうはならない…！どうせ、無理なことは目に見えてる…」

白亜(M)
「俺は…どんなに頑張ったって、魔法人にはなれない…」

タクト
「…確かに、回りから見たら馬鹿としか思われないかもしれない。やるだけムダだって。それでも、僕は好きなんだ。大会で優勝したいんだ。夢だから、叶えたいんだよ」

白亜
「……！」

タクト
「それに、初めから諦めてたら、なんだって楽しくない。無理なことでも、出来るって信じてあきらめないでいたらきっと出来る！そう信じたいじゃないか。…自分を信じられるのは、自分だけなんだから」

白亜
「……。」

【急に世界が眩む】

─書斎─

白亜
「……。あれ…？ここは…」

名無しさん
「って！書斎に戻ってるし！なんで！？」

白亜(M)
「自分を信じられるのは、自分だけ…」