*本編*

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クリスタ 「? なぜ?」 興覇 「『その力をどうして悪いことに使うの!?』」 クリスタ 「………。僕は、存在を否定されてるんだ」 興覇 「……!」 名無しさん 「存在を否定?」 クリスタ 「そう。だから、認めてもらうんだよ。いいや。僕の存在を知らしめるんだ。僕の存在理由を作る。証明する。そのために、僕は悪い魔法使いになって世界を征服する」 興覇 「………。」 紅玲 「だったら、いいことをして認めて貰えばいいじゃない。力を悪いことに使って存在を知らしめる、だなんて下劣だわ」 クリスタ 「…僕…昔は、いいことに使ってたよ。でも、ドジばっかりで、みんなを不幸にした…。もう否定されるのが怖いんだ。僕のことを、言葉を、存在を!」 興覇 「……!」 クリスタ 「だから、否定されないように、悪い人になろうって決めた。そうすれば、もう傷付くこともない。これが僕の見つけた道……生き方なんだ!」 興覇(M) 「同じ…」 紅玲 「バッカみたい。何を怖がってんだか。否定されるのが怖い?怖がって悪い方向に進むのは答えじゃない。逃げてるだけよ」 クリスタ 「う…」 興覇(M) 「逃げ…てる…」 ─書斎─ 白亜 「あ…また戻ってきたね」 さっちゃん 「この、戻ってくるタイミングもよく分かりませんね」 興覇 「………。」 【ちら。と紅玲を見る】 名無しさん 「それにしても変なやつだったねー」 白亜 「ああ。人を幸せにしようとしたら不幸にして、不幸にしようとしたら幸せにして…」 興覇 「でも、彼は自分の生きる道を見つけるのに必死だった」 白亜 「そうだね。何があったのかは分からないけど、でも、紅玲の言う通り、なのかな」 紅玲 「当たり前でしょ。あたしはああいう奴嫌いなの。嫌われないことなんて絶対ないんだから、そんなの気にしてたら生きていけないわよ」 興覇 「『やっぱり、逃げては、ダメ?』」 紅玲 「逃げていても何も始まらない。傷付くことを怖れていたら、何も変わらない。あたしはそう思ってるわ」 興覇 「………。」 名無しさん 「人を言葉で傷付けるナイフの紅玲がよく言えた台詞だよ」 紅玲 「あたしは傷付くことも傷付けることも恐れてないの」 興覇 「……紅玲。 あ、ありがとう」 紅玲 「な、なんでお礼なんか…」 白亜 「あれ?今、興覇 本を開いてなかった…?」
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