水中世界

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波間に顔を出して、辺りを眺めてみる。 少し先に見えるのは、乾いた砂に風に揺れる深緑。 白い壁の建物が沢山並び、とある通りでは鮮やかで色とりどりの布がたちが日差しを遮るように広げられ、これまた沢山の人間たちで賑わっていた。 一人一人の顔なんて勿論見えないけれど、きっと楽しいんだろうな。 そんなことを思って今度は上を見れば、遥か高くにまた青が浮かんでる。 届かない、青。 この海と繋がっているはずなのに、どうして私には届かないんだろう。
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