水中世界

4/6
前へ
/6ページ
次へ
どうして逃げるの。 どうして私には触れられないの。 同じ青なのに、暖かな陽を抱いた空は、遥か高くで私を見下ろすばかり。 いつまで経っても私はこの深い水の中。 ゆらり ゆらり たゆたうように、ただ空を見上げる。 高らかに歌う、海鳥たちが羨ましい。 私も……あんな風に飛べたら良いのに。 それならば、どこまでだって羽ばたいてみせるのに──── ああ、そうか。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加