通り雨

2/4
前へ
/4ページ
次へ
「……どうして居なくなったのよ……」 彼女は俯いて、涙をこぼしながら問い掛けた。 「…………」 「応えてよ……」 僕は泣き続けている彼女にかける言葉が見つからず、何も応えられない。 「……バカだな……私……」 彼女は最後にそう言うと僕の前から去っていった。 「……ごめんね」 届く筈もない声を彼女の背中に掛ける。 空を見上げると暗雲が立ちこめていた。 「雨、降るかもなぁ……」 そう呟いたと同時に豪雨が僕の足元を濡らしていった……
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加