星の導き

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 鈍色に光る剣尖を、俺は慌てて後ろに避ける。 敵の剣が再度攻撃を仕掛けようとする前に、さらに後ろに飛びのく事で距離を取る。 「はっ……危ない危ない」 俺は安堵の息を尽くのも忘れ、目の前の敵--トカゲの頭をした怪物の強さに息をのむ。 この世界に突然やって来たあの日から思えば、俺は強くなった。だが、いくら鍛えたところでこの怪物の怪力に比べれば微々たるものである。 それでもどうにか生き残っているのは、運だけとは思いたくない。経験と努力、それにこの相棒(剣)のおかげと信じたい。
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