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「………俺らが付き合いはじめてもう3年になるな…」 「……うん…」 最近、部活で忙しかった彼の顔を見るのも久しぶりだった。 「………楽しかったよな……いままで…」 直感的に彼が何を言おうとしているのかわかった気がした。 「………うん……」 「お前のこと好きだったぜ………頑張り屋でお節介で優しくて…」 (聞きたくない……聞きたくない…) そう思っていても、耳をふさぎたくても体は凍りついたように動かない… 「…へい……すけ…?」 「………………」 ザァァァァァァァ… 雨がどんどん強くなっていく… 私の目の前にやってきた平助はいままでみた顔の中で1番優しい笑顔だった。 「…………別れよう………桜…………」 その日私は、世界で1番愛していた人にふられました。 とてもひどい雨の日のことでした。
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