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バスの時刻表など気にもせずに家を出てきた私は、『ニュータウン入口』の停留所に着いた時に10分待たなければならないことを知った。
そして時刻表よりさらに5分遅れで停留所に着いたバスに乗るときには、わきの下は微かに汗ばみ、シャツのボタンを1つ外していた。
日差しを遮るものが何もないバス停で15分間5月中旬並の太陽にさらされた頭は、少々朦朧としていた。
車内は比較的空いていて、後ろ寄りの2人がけシートをひとりで使うことが出来た。
ふわりと優しい風が舞い込み、火照った頭を冷やす。
窓が数センチ開いていた。
冷房の風とは違う穏やかに吹き込む涼風はしかし、花粉症持ちにとっては厄介なようで、斜め前に座るマスクをしたご婦人は何度もくしゃみをしていた。
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