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その目が驚愕に見開かれる。その瞳に映る…俺の顔…。
"淫乱"と言われた…。
キタナイオレ。
「あっ、あれ!?人違い…。ご、ゴメンね!てっきり唯鷹かと思って…」
ニコッと笑う脂ぎったニキビだらけのその顔に、吐き気がする。
「君、見ない顔だね。転校生かな?綺麗な顔してるね」
…唯鷹とは俺の名前。
唯鷹 彼南(タダタカカナ)。
女みたいな名前でしょ?
これを付けたのもあのクソ……チッ…。思い出しただけでも胸くそ悪い。
「どこの教室?何年生?あっ、転校生だったら、最初は教務室かな?」
いつまでしゃべり続けるのか。
がしっ。
「おいで!案内してあげるっ」
「……ッ!」
右手首に掴まれた手に、鳥肌がたった。俺は、あの日から人に触れられるのがトラウマになった。
「俺に触るなッ!!」
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