我ら討魔団

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 そこを一言で表すなら、「秘密基地」だ。特撮に出てきそうな「秘密基地」が目の前にある。 「まずは団長のところに行かないと……っと、ちょうどいいや」  そう言うと慧は近くを歩いていた一人の女性に声をかけた。 「神楽(かぐら)さん、ちょっと聞きたいことがあるんですけど……」 「慧か。聞きたいこととは何だ?」  慧が声をかけた神楽と呼ばれた女性はこちらを振り向くとそう言った。  腰のあたりまで垂らした長いポニーテール。顔の造りは可愛いよりも綺麗、や凛々しい、といった感じ。身長は160強 、歳は20代中盤と いったところか。そして何より目を引くのはその抜群のスタイルである。おそらく指定のものなのだろう。周りを歩いている人々と同じ服装をしているが、そのスタイルの良さは布地の上からたでも十分に分かる。あまり胸の大きくない咲は一瞬何かの当てつけかと思ってしまったぐらいだ。 「団長のところにあの子を連れて行きたいんですけど、団長、今どこにいますかね?」 「志摩(しま)の奴か?恐らく団長室にいると思うが……」 「そうですか。ありがとうございました」  慧はそう言って咲に向かって手招きをする。ついて来い、ということだろう。神楽へ軽く会釈した後、慧について歩く。しばらく歩いた後、唐突に慧が口を開いた。 「やべっ、団長室ってどこだったっけ?」  それを聞いた瞬間、咲は慧の頭を思いっきり叩いていた。    *** 「全く、お前という奴は。一体いつになったらここの構造を覚えるんだ?」 「すいません……」  団長室への道が分からないという慧を咲はひとしきり罵った後、すぐにとって返し、歩いていた神楽に事情を話して、団長室まで連れていってもらえることになったのだが、 「豪の奴は三週間で構造を把握したというのに。お前ときたら……」 「返す言葉もありません…………」  先ほどから慧はこんな調子である。よほど咲に罵られ、神楽に責められたのが、堪えたのだろう。 「まあいい。今度こそちゃんと覚えろよ」 「分かりました………………」  そんな会話をしているうちに、神楽が一枚のドアの前まで来て止まる。  ドアの中ほどには「団長室」と書かれたプレートが嵌まっている。なんとも分かり易い。こんなんでいいのか。    
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