男トモダチ

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｢三好、今日の初回打合せ、５階の打合せルーム③に変更！｣
コピー機の前にいた私に営業マンが声をかける。

｢はい！」
窓際の壁に掛けてある時計を見上げると、打ち合わせの時間はもうすぐだった。

うちの会社では契約した顧客との打合せの前に、出来上がり図面や工程や工期について営業と設計と工務で細かい打合せが行われる。

住宅部門の事務職の私は、営業のフォローをメインに雑用をこなす。営業マンと顧客とのやりとりで営業マンの失敗を庇うことは多い。言った、言わないでケンカすることもある。

いつものことだけど、ギリギリになって営業に振り回されることになって、不満が顔に出てしまう。
用意していた資料を抱えて、住宅部のフロアを出た。

なかなか来ないエレベーターを見上げて、時間がもったいなく感じて３階の住宅部から打ち合わせルームのある５階まで階段をかけ登る。

息を切らしながら、打合せルーム③のプレートのドアを開けた。