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 「よし。」 車通勤ゆえに、手抜きになりがちなファッションをコートと薄いピンクの大判ストールで誤魔化して車を出た。 首ったけのつもりはないけれど。 ネクタイは来週の彼の誕生日のプレゼント。 5つ歳上の大人の雰囲気のある彼に喜んで貰いたくて、ずっと悩んで決められなかった。 会社ですれ違う時の彼のスーツやシャツを思い浮かべながら… 自然に緩む表情を誤魔化して歩く。 いざ、ネクタイを探して歩く。…こんなに色や柄に種類があるとは思わなかった。 優柔不断な性格のせいで決められない。他の物にしようか迷ったけれど、やっぱり自分の選んだネクタイをしている彼の姿が見たくなって。 有名な高級ブランドから紳士服専用の階をぐるぐるして…結局手頃な値段の無難な柄に落ち着いた。
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