華の音。

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何故この地に女性が少ないのかは知らない。 俺が生まれる前のそのまた前の前の話になる。 俺、須藤優也は空手の道場主である父と2人の弟との4人暮らしだ。 一方、幼なじみの桜花はこの辺り一帯を取り仕切る遊廓の主人の1人息子だ。 うちは貧乏道場で、俺自身口下手で友達も居なかった。 うって変わって桜花は華々しくも艶やかな屋敷に生まれ、見かけるたびに稟とした佇まいで誰もが見とれる、まさに対称的な存在だった。 そんな俺とはまったくの対称的な桜花だけど、知り合ったきっかけはほんの些細なこと………だったらしい。 そう、俺がまだ4歳の時、庭先で庭の手入れをしていた時だった。
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