メンテナンス編

3/3

25人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「ぅお!!」 寝かしつけたあと、いつものように夜食を作り始めると、いつの間にやら起きてきちゃいました。 興味深げに手元を覗いてます。 「においが強いから起きちゃったのかなー」 今日のメニューは焼きそばです。ソースが焦げるにおいってたまんないよねー…じゃなくてっ 「奏は食べらんないよ?」 するとどうでしょう。 途端に泣きそうな顔して見上げてきましたっ! 目はうるうる潤んでて、服の裾をくいくい引っ張る仕草がもう… 「…ちょっとだけならいいかな…」 フォークにくるくると巻いた焼きそばを、小さな口で頬張る姿にほっこりしてしまい。 それからというもの、毎晩夜食を作り出すと起きてくるようになり、気付けば22時に眠る習慣もどこへやら… そうして今に至る訳です…。 今朝目が覚めて、動かない奏を見て頭の中が真っ白に。 出勤どころじゃなくオーナーの元に駆け込んだ次第です。 ああ面目ない…。 だってね、ほんっとーに天使なのよ!!逆らえませんて…!! 正直なところ、おねだりする姿が見たくて… それから期待に満ちたキラッキラの目で、あーんって口を開けてる姿がもう堪んなくて… 「…このまま返して貰いましょうか。」 「いーーやぁ!!それだけはマジ勘弁してください…っ この子がいないと生きていけない…っ」 「おや、ずいぶん依存してますねえ。」 「ストレス社会を行き抜くために必要なんですオアシスなんですぅ~!!」 「はいはい、わかってます 冗談だって。 こっちで預かるから後は任せて。仕事、行かなくていいの?」 「あ、…じゃあ午後から行ってきます。」 「まだ時間あるね。その様子だと朝も食べてないんでしょ。ちょっと待ってて。」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加