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「親父さぁー、帰るならちゃんと連絡しろよな!!」
「そうですよ。それと庭に入る前に先に家に入って下さい。鍵も渡しているんですから」
「私の薔薇たちがあんなに喜ぶとはな…」
「はは、すまんな」
三人は父親を家に連れ帰り、今は説教中。
父親は苦笑い。
「お前らそれくらいにしとけ」
辛夷は間に入り、三人を止めた。
「…それにしても父さん変わらないね」
「うんうんっ。相変わらず色んなお花の匂いがするよ!」
桐と桜は父親に近寄って匂いを嗅いだ。
「だろ~?」
彼らの父親、山吹海棠(かいどう)はボサボサの頭を掻く。
「お前らも見ないうちにでっかくなりやがって!!」
海棠は胡蝶花の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「うわっ、手洗ってねぇーだろ親父!!」
離れろと言いながらも、父親が帰ってきて嬉しそうにしている。
「それに桜もますますお母さんみたいに綺麗になってきたな…」
海棠は桜の顔を懐かしそうに見た。
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