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彼女は長い金髪をして長い耳をしていて、緑色の瞳をした美しい女性だった。
「あの子達を頼みます。あまり、他人の前で力を見せないようにさせて下さいね?いじめられたり、怖がられたりしますので」
「ああ、大丈夫だ。任せておけ」
男はそう言って彼女にキスをした。
「…ふふ。これで最後かしら。…貴方とのキスは」
彼女は頬を赤らめた。
「…いや、また会えるだろう?いつかきっと…な」
男はニカッと笑った。
「そうね。…いつかきっと。その時は、大きくなったあの子達に会えるかしら」
「俺がなんとかしてやるから、心配すんな」
男は彼女の髪をくしゃくしゃっとした。
「ありがとう。…それじゃ」
「…ああ」
彼女は男に背を向け、深い深い森の奥に消えていった――
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