山吹家の朝

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「おっ。昨日作った歌か」 「うん。作ったばかりだから、メロディーとか分からないけど…」 桜が作った植物の詞を歌にして、良く花達やお兄ちゃん達に聞かせている。 桜はとても歌が上手で、聞いた人はどんな人でも癒される。 寝ているお兄ちゃん達は桜の歌声がなきゃ起きない。 「大丈夫だ。桜だったらきっと出来る」 『そうだよ。僕たちも桜を信じてる!』 「…うん。やってみるね!」 桜は応援されて勇気が出た。 深呼吸をして目を閉じ、桜は静かに歌い出した。 桜の歌声は優しく、静かで暖かい。 すると桜達の家の前に人々が何人も集まっていた。 「桜ちゃんの歌声はいつ聴いても綺麗よねぇ~」 「そうねぇ~」 「俺、この歌声聴いてるとだるさが無くなるんだよなぁ」 「そうそう!普通、こんな優しい歌声だったら寝れんだけどな?」 「あ~!それ分かる!」 近所のおばさんや朝練へ行く中高生やサラリーマンで家の前が人でいっぱいになった。
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